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相続2025.09.01

海外に住む相続人がいる場合の相続手続き

近年、「相続人の一人が海外に住んでいる」「外国籍の方が不動産を購入される」など、国際相続や国際不動産購入に関するご相談が増えています。以前のメールマガジンでも、海外在住の方による相続放棄や必要書類について取り上げましたが、今後はシリーズとし…

※本記事はメルマガ配信当時の法令・実務に基づいて執筆しています。最新の情報・運用については別途ご確認ください。

近年、「相続人の一人が海外に住んでいる」「外国籍の方が不動産を購入される」など、国際相続や国際不動産購入に関するご相談が増えています。以前のメールマガジンでも、海外在住の方による相続放棄や必要書類について取り上げましたが、今後はシリーズとして海外相続に関する情報をお届けしたいと思います。

【相続手続きのスタートは「法律と相続人の確認」から】

日本国内に不動産や預貯金があり、相続人の一人が海外在住というケースは珍しくありません。この場合、手続きが少し複雑になることがあります。

まず確認するのは、「どの法律を適用するか」です。通則法36条により「相続は、被相続人の本国法による」と定められており、被相続人が日本人であれば相続人が海外居住者であっても日本の民法が適用されます。

次に「誰が相続人になるか」を確認し、国内外の相続人全員で遺産をどう分けるかを話し合う必要があります。この合意内容をまとめた「遺産分割協議書」に、相続人全員が署名押印することになります。

【印鑑証明の代わりに必要な「サイン証明」】

日本に住んでいる相続人は協議書に実印を押し、印鑑証明書を添付しますが、海外在住者は印鑑証明を取得できません。その代わりに必要となるのが「サイン証明(署名証明書)」です。

サイン証明は、日本大使館や総領事館で発行され、本人が確かに署名したことを証明します。提出先によっては「在留証明書」(住民票の代わりとなる書類)が求められる場合もあります。

【書類のやり取りには時間がかかる】

海外在住の相続人がいる場合、書類のやり取りに時間を要するのが実情です。遺産分割協議書やサイン証明書は署名押印した原本を郵送する必要があり、国によっては数週間以上かかることもあります。手続きを円滑に進めるためには、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが大切です。

【相続税の申告と納税も忘れずに】

相続財産が一定額を超えると、日本国内にある財産に対して相続税の申告と納税が必要です。海外在住の相続人であってもこの義務は免れません。申告期限は相続開始から10か月以内と決められており、納税期限も原則同じです。遅れることのないよう、注意が必要です。

【まとめ】

日本に財産があり、相続人が海外在住の場合は、以下の点に特に注意が必要です。

サイン証明を用意する必要がある

書類のやり取りに時間がかかる

相続税の申告と納税が必要になる

国内だけの相続よりも時間や手間がかかるため、早めの準備が安心につながります。特に郵送や納税は思った以上に時間がかかることも多いため、相続が始まってから慌てないよう、事前に知識を持っておくことが大切です。

相続は誰にとっても頻繁に経験するものではありませんが、ご家族が海外に住んでいる場合は特別な対応が必要です。「我が家の場合はどうすればいいのだろう?」と感じたら、専門家へ相談してみることをおすすめします。