相続のこと

INHERITANCE

亡くなったら?押さえておきたい3つのポイント

  • 相続:相続人が被相続人(亡くなった方)の権利義務を承継します。プラスの財産だけでなくマイナスの財産(債務)も承継される点にご注意ください。
  • 遺言:遺言執行者がいる場合は遺言執行者が、いない場合は相続人が遺言の内容を実現します。
  • 任意・法定後見:本人の死亡により終了します。

そもそも「相続」って?

ある方が亡くなったとき、その方の権利義務は相続人に承継されます。遺言書の有無、法定相続、遺産分割協議などによって相続人を確定します。

誰が何をどのように相続するか(相続分)?

  • 遺言がある:遺言者の最終意思を尊重し、それに従います。
  • 遺言がない:相続人全員で遺産分割協議を行い、相続方法を決定します。
  • 協議しない:法定相続分に従って相続されます。

親が亡くなって不動産を引き継いだ → 相続登記

相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった際に、その不動産の名義を相続人へ変更する手続きです。例えば、父や母名義の自宅、亡くなった祖父名義の山林や農地などを相続した場合、法務局で所有権移転登記(相続登記)を行う必要があります。

令和6年4月1日から相続登記が義務化され、相続人が、法定相続、遺言や遺産分割等で不動産を取得してから3年以内に相続登記をすることが義務となりました。

相続登記に必要な書類

相続登記の為には下記の書類が必要になります。

区分書類
被相続人の書類出生から死亡までの除籍・改製原戸籍謄本/住民票の除票または戸籍の附票
相続人の書類戸籍謄本/住民票
不動産に関する書類固定資産評価証明書/登記事項証明書(登記簿謄本)
遺産分割を行う場合遺産分割協議書/相続人全員の印鑑証明書
遺言書がある場合遺言書

相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等(遺産分割協議の場合)

出典:法務局ホームページ

【集める書類】(※2)

対象者(誰の)書類の名称入手先備考
亡くなられた方(被相続人)戸籍謄本(戸籍事項証明書)・除籍謄本・改製原戸籍本籍地の市区町村(※1)出生から死亡まで、在籍していた全ての戸籍・除籍謄本が必要です。
亡くなられた方(被相続人)住民票の除票又は戸籍の附票住民票の除票:住所地の市区町村/戸籍の附票:本籍地の市区町村登記簿上の住所及び本籍地の記載のあるもの。※「被相続人の登記上の住所」が「戸籍謄本」等に記載された本籍と異なる場合に必要となります。
法定相続人戸籍謄本(抄本)(戸籍事項証明書)本籍地の市区町村(※1)亡くなられた方の死亡日以降に発行されたもの
法定相続人印鑑証明書住所地の市区町村遺産分割協議書に押印された印鑑に関するもの
法定相続人固定資産課税明細書毎年4月頃に市区町村から送付登記申請をする日の属する年度のものが必要です。
法定相続人のうち、新しく所有者になる方住民票住所地の市区町村

【作成する書類】(※2)

作成する者書類の名称備考
新しい所有者(相続人)登記申請書
新しい所有者と代理人委任状代理人による申請の場合に必要です(新しい所有者が手続する場合は不要です)。
法定相続人遺産分割協議書
新しい所有者(又は代理人)相続関係説明図戸籍・除籍謄本(抄本)の原本の還付を希望しない場合は不要です。
※1 本人、配偶者、直系尊属(父母、祖父母など)、直系卑属(子、孫など)の戸籍等については本籍地以外の市区町村の窓口でも請求できます(コンピュータ化されていない一部の戸籍等を除く)。
※2 上記以外にも必要な書類がある場合があります。相続登記の申請に当たっては、「相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ」(登記手続ハンドブック)をご覧ください。

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負の遺産(借金)がある場合 → 相続放棄

借金のみなど財産を相続したくないときは、一定期間内に家庭裁判所へ相続放棄申述を行うことで相続しないことができます。相続放棄は、プラス財産・マイナス財産を問わず一切相続しないことを意味します。

相続放棄の効果

相続放棄をした方は、最初から相続人でなかったものとみなされます。たとえば、相続人が子X・Y・Zである場合、Xのみが相続放棄をした時には、Y・Zの二人で遺産分割協議をすることとなります。また、相続放棄は代襲相続の原因にはなりませんので、Xに子(被相続人の孫)がいても、その子は相続人にはなりません。

相続放棄の注意

  • 相続放棄申述は、相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申し出ます。
  • 相続財産を処分すると承認したものとみなされ、放棄できません。
  • 一度放棄すると、原則として撤回できません。

相続放棄申述の手続き

Step 1:被相続人(亡くなられた方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、相続放棄申述書等の書類を提出して申立てます。

必要書類

  • 相続放棄申述書(800円の収入印紙を貼付します)
  • 被相続人の戸籍・除籍、住民票の除票
  • 相続人の戸籍謄本
  • 郵便切手(切手の種類、枚数は裁判所により異なります)

Step 2:以下の流れで手続きを進めます。

  1. 戸籍等の添付書類の収集

  2. 相続放棄申述書の作成

  3. 家庭裁判所へ申立て

  4. 家庭裁判所からの一定の照会事項に対して回答する

  5. 家庭裁判所で相続放棄の申述が受理される

  6. 家庭裁判所から通知書が届いたら手続き終了

    相続放棄の申述を受理した旨の通知書が送られてきたら、手続きは終了です。

  7. 相続放棄申述受理証明書の取得(必要に応じて)

    必要に応じて相続放棄申述受理証明書を取得し、債権者へ提示します。

相続する財産がプラスかマイナスか分からない → 限定承認

相続するプラス財産とマイナス財産のどちらが多いかわからないときは、家庭裁判所に「限定承認」の手続をすることができます。限定承認とは、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して承認することを言います。要するに、相続するプラス財産の中から相続した借金を支払えばよいということです。

注意しなければならないのは、債務自体が減るのではなく、その責任が減るにすぎないということです。限定承認は、相続人全員が共同して行わなければなりません。また、相続を知ってから3ヶ月以内にする必要があります(相続放棄と同様です)。相続財産を処分等すると、その相続を承認したものとみなされますので、限定承認はできません。また、限定承認をする場合には、相続開始時に相続財産を時価で譲渡したものとみなされて被相続人に譲渡所得税が課せられますので税務上の注意も必要です。

相続人がいないとき → 相続財産管理人の選任

「相続人がいないとき」の中には、戸籍記載上の相続人が見当たらない場合や、相続人全員が相続放棄した場合も含まれます。この場合、利害関係人か検察官の請求によって、家庭裁判所は、相続財産管理人を選任します(民法第958条第1項)。相続財産管理人は、相続財産を管理し、債権者や受遺者に対する催告の公告をしたり、相続人を捜索したりします。

特別縁故者の財産分与請求

特別縁故者とは、以下がこれにあたるとされています。

  • 被相続人と生計を同じくしていた者
  • 被相続人の療養看護に努めた者
  • その他被相続人と特別の縁故があった者

具体的には内縁の妻(夫)や事実上の養子が挙げられます。相続人が不存在の場合、特別縁故者に財産が分与されることもあります。特別縁故者は、相続人捜索の公告期間(6ヶ月)の満了後3ヶ月以内に、家庭裁判所に対し、特別縁故者への財産分与請求を申し立てることができます。特別縁故者に対して分与をするかしないか、する場合の内容や程度は、縁故の度合い等を考慮して、家庭裁判所が判断します。

相続財産管理人選任の流れ

  1. 相続財産管理人選任

    利害関係人(債権者、受遺者、特別縁故者など)からの請求により、家庭裁判所が相続財産の管理人を選任します。利害関係人からの請求がない場合は、検察官がこの請求をします。

  2. 相続財産管理人の選任の公告(1回目の相続人捜索の公告)

    相続財産管理人を選任した旨の家庭裁判所の公告です。この公告期間は2か月で、公告は官報に掲載してなされます。

  3. 債権者・受遺者に対する債権申し出の公告(2回目の相続人捜索の公告)

    選任の公告のあと2か月以内に相続人が現れない場合、管理人は遅滞なく債権者や受遺者に対して2か月以上の期間を定めて債権を申し出るよう公告します。なお、知れたる債権者には各別に債権申出の催告をします。債権の申し出期間が経過したら債権者・受遺者への清算に移ります。弁済の順位は、1. 優先権を有する債権者、2. 一般債権者、3. 受遺者です。債権の申出額が相続財産を上回る場合は、配当弁済することになります。

  4. 相続人捜索の公告(3回目の相続人捜索の公告)

    債権申し出期間が満了後、なお相続人が現れないときは、清算と並行して、管理人の請求によって、家庭裁判所は6か月以上の期間を定めて「相続権主張の催告」をします。

  5. 相続人不存在確定

    3か月以内に特別縁故者の申立てにもとづき、相続財産の全部または一部が分与されます。

  6. 残余財産の国庫帰属

解決事例

① 相続財産が不動産しかなく、納税資金に困ったケース

ご相談内容

お父様が急死され、相続財産のほとんどが不動産であったため、納税資金の確保や不動産の名義変更について不安を感じ、ご相談いただきました。

当事務所からのご提案&お手伝い

まず、相続財産の整理を行い、不動産の名義変更手続を進めました。さらに、不動産売却による納税資金の確保をご提案し、税理士と協調しながら税務上の特例も漏れなく受けられるようサポートいたしました。

結果

納税期限に間に合う形で相続手続、不動産売却、名義変更を完了することができ、無事に相続税の納付まで終えることができました。何から手を付けてよいかわからない相続手続きを整理し、納税期日に間に合うように相続と不動産売却を進め、売却の際にも税務上の優遇を漏れなく受けられるよう税理士と協調して手配をさせていただきました。

② 他事務所で放置され困って来所されたケース

ご相談内容

あまり付き合いのなかった叔母様の遺産整理についてご相談をいただきました。当初は相続不動産近くの弁護士へ依頼されていましたが、半年ほど進展がなく、不安を感じて当事務所へご来所されました。

当事務所からのご提案&お手伝い

まず、全体スケジュールを整理し、相続手続の流れをご説明しました。段ボールいっぱいの郵送物や複数の預金通帳、証券類を一つひとつ確認し、相続財産を把握しました。また、遠方不動産の取り扱いについても相続人全員が納得できる遺産分割方法をご提案しました。さらに、税理士のご紹介や成年後見申立など他士業との連携も行いました。

結果

相続財産の整理から遺産分割協議までスムーズに進めることができ、無事に相続手続を完了することができました。ご紹介した税理士には、不動産が遠方にも関わらず何度も足を運んでいただき、スムーズに話が進みました。

③ 父親に実は前妻がおり、その隠し子と相続手続きを行ったケース

ご相談内容

お父様が亡くなったことによる相続のご相談でした。お母様は既に亡くなっており、当初は子供である自分だけが相続人だと思っていましたが、後々亡くなった父には母より前に前妻が1人おり、更にその前妻との間に子がいることが判明したため、対応に困ってしまったという事でした。その前妻は既に亡くなっているとのことでしたが、子どもに関しては実際に会ったこともなく、住んでいる地域も不明とのことでした。相続の内容としては、父名義の不動産を現在も住んでいる相談者に名義変更したいとのことでした。

当事務所からのご提案&お手伝い

まず前妻との間に生まれていた子についての調査を行いました。次に前妻との子に父が亡くなった旨の連絡をし、相続財産である不動産の名義を変更する内容を加えたお手紙を送るために、お手紙作成のサポートを行いました。

結果

調査により、前妻との子の連絡先が判明し、無事に連絡を取ることができました。その後、相続財産として不動産があること、その不動産の名義を相談者にしたい旨をお手紙にてお伝えしたところ、相続手続きにご協力いただけるということで、スムーズに手続をさせていただくことができました。

④ 成年後見の申し立ての上、特別代理人を選定し、遺産分割を行ったケース

ご相談内容

お父様が亡くなったことによるご相談でした。お母様は既に亡くなっており、相続人である相談者(次男)と長男で遺産を分割したいと思っていましたが、長男が認知症を患っており、相談者が財産を管理しているとのことでした。無事に遺産分割ができるかどうか不安になっているとのことでご相談をいただきました。

当事務所からのご提案&お手伝い

まず長男について、相談者を候補者として成年後見人の申立をしていただきました。次に遺産分割協議において、相談者と長男は利害関係で対立してしまうため、特別代理人の選定を行い、その特別代理人と残りの相続人である相談者で遺産分割協議を行うことを提案しました。

結果

成年後見人の申立によって、無事に家庭裁判所から成年後見人として相談者が選任され、特別代理人が選定されました。特別代理人が選定されたことにより、特別代理人と相談者の間で遺産分割協議を行うことができましたので、無事に相続手続きを行うことができました。

⑤ 兄弟姉妹が多く、相続人が20人以上になってしまっていたケース

ご相談内容

80代の男性からのご相談でした。父が亡くなったため、相続を行いたいとのことでしたが、もともと大家族だったため、相談者とその妻以外に兄弟姉妹甥姪までを合わせると20人以上の相続人がおり、その大半は県外に住んでいる方であり、中には連絡が取れるか不安な相続人までいるため、なかなか相続手続きが進まないとのことで、当事務所に相談にいらっしゃいました。

当事務所からのご提案&お手伝い

まず法定相続分を確定するために亡くなった父の相続人調査及び相続財産調査をしました。次に確定した相続財産をもとに遺産分割協議を行う必要がありましたので、相続人1人1人に書面連絡を行うサポートを行い、丁寧に手続きの確認を行いました。

結果

幸いに連絡が取れるか不安な方との連絡もスムーズに行えた上に、相続人同士がもともと仲が良かった為、委任状を頂くことができ、相続手続きを進めることができました。相続人が多かった為、確認だけでも相当な時間がかかってしまいましたが、粘り強く対応したことにより、解決することができました。

⑥ 何代にもわたり土地の相続登記をせずに放置していたケース

ご相談内容

土地が相当前に亡くなった曾祖父の名義になっていたとのことで、曾祖父が亡くなってからも次々相続人が亡くなっていたので、現在だれが相続を受ける対象なのか不明な状態のため、相続するべき方を確定したうえで相続手続きをお願いしたいとのことでした。

当事務所からのご提案&お手伝い

相続人を確定する必要がありましたので、戸籍謄本を取得し、相続を受けるべき人が誰になるのか調査しました。戸籍調査の結果、相当な人数の相続関係者がいることが判明したため、その全員に「相続手続きに関するお知らせ」を送付し、遺産分割協議を進めることになりました。

結果

無事に遺産分割協議を行うことができ、最終的に相談者が土地を相続することになりました。現在、相続登記は義務化されており、そうでなくとも相続せずに放置していると当時の相続人が亡くなり、その子どもが代襲相続人となるなど、相続関係者が増え、次の代の相続人同士が互いに面識がなかったりして、遺産分割がスムーズに進まないケースが発生する可能性が高いです。ですので、相続登記が発生した際は速やかに完了させることをおすすめします。

まずはご相談ください ― 当事務所の相続関連サービスメニュー

田山事務所では、お客様の状況に応じた4つのメニューをご用意しています。詳しくは料金表ページもあわせてご覧ください。

  • 【Service 01】相続登記サポート:不動産の名義変更を必要なサポートだけ・安心パックで。節約プラン 66,000円〜/おまかせプラン 154,000円〜(いずれも税込)
  • 【Service 02】遺言作成・遺言執行:ご家族が争わずに済むよう、想いを「形」に。88,000円〜(証人2名込・税込)
  • 【Service 03】民事信託(家族信託):認知症による「資産凍結」を防ぐ、新しい家族のカタチ。信託設計コンサル 330,000円〜(財産額の1.1%・税込)
  • 【Service 04】遺産整理おまかせプラン:相続手続きを、ぜんぶ。ひとつの窓口で。330,000円〜(評価額3,000万円以下の場合・税込)

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